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石川博樹

Ishikawa hiroki
(助教)

私はソロモン朝エチオピア王国という13世紀にエチオピア高原に成立した王国の歴史研究を専門としています。ソロモン朝という名称は、君主たちがシェバの女王と古代イスラエル王国のソロモン王の間に生まれた息子の末裔と称したことに由来します。エチオピア高原には4世紀にキリスト教が伝わり、その後エチオピア教会という独自のキリスト教会が成立しますが、ソロモン朝エチオピア王国の住人の多くはその信徒でした。彼らはゲエズ文字(エチオピア文字)を用いて各種の文書を残しました。また16世紀から17世紀にかけてこの王国でローマ・カトリックの布教を試みたイエズス会士たちも多くの記録を著しています。これらの史料を用いて、未解明の問題が数多く残されていた16世紀から18世紀にかけてのソロモン朝エチオピア王国史の研究にこれまで取り組んできました。今後はエチオピア史の研究を続けつつ、サハラ以南アフリカ(アフリカ大陸の中でサハラ砂漠の南に位置する地域)の他の地域の歴史研究にも着手する予定です。


<主要業績>
『ソロモン朝エチオピア王国の興亡―オロモ進出後の王国史の再検討』山川出版社、2009年.
 「イエズス会北部エチオピア布教―識字能力の観点から」川村信三編『超領域交流史の試み―ザビエルに続くパイオニアたち』上智大学出版会、2009年、182-204頁.
 「選択される過去―北部エチオピアのキリスト教徒の歴史認識」永原陽子編『生まれる歴史、創られる歴史―アジア・アフリカ史研究の最前線から』刀水書房、2011年、3-30頁.


<関連HP>
個人ウェブサイト