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椎野若菜

Shiino wakana
(准教授)

ケニアのヴィクトリア湖周辺に暮らすルオ(Luo)の人びとの村に、1995年から断続的に住み込んで人類学の調査をしています。修士課程の頃は葬送儀礼の調査、そして博士課程では一緒に暮らしていた寡婦たちが、夫亡きあと代理の夫をもつ「レヴィレート」の制度とどのように向き合い、組み込まれて、ある時は「使って」暮らしているのか、彼女らをとりまく複雑な人間関係などをつうじみてきました。またルオ社会のセクシュアリティ、ジェンダー、呪術、災因論、空間認識については細かなルオの「決まりごと」の内容と深くかかわり、生活の実践の場で繰り出されていますが、まだうまくその世界観が整理し描き切れていません。
また、ルオの人びとが植民地化前後にどのように暮らし、居住形態や社会組織を変化させてきたのか、ということに関心があり、学際的研究に着手しました。ほかのテーマでも、フィールド、テーマを介して異分野の研究者とのコラボの可能性にも挑み始めたところです。
 いまや日本にいてもケニアの村と携帯がつながり、いつでもフィールドの家族や友人とのsmsのやりとりができるようになった現在。フィールドとの関係性、人類学のやり方も変わってきそうです。


<主要業績>
椎野若菜編『やもめぐらしー寡婦の文化人類学』明石書店、2007年。
椎野若菜『結婚と死をめぐる女の民族誌―ケニア・ルオ社会の寡婦が男を選ぶとき』世界思想社、2008年。
奥野克巳、竹ノ下祐二、椎野若菜共編『来るべき人類学シリーズ セックスの人類学』春風社、2009年。
椎野若菜編『「シングル」で生きる―人類学者のフィールドから』御茶の水書房、2010年。


<関連HP>
椎野若菜HP 
フィールド3Dマッピングプロジェクト