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佐川徹

Sagawa toru
(京都大学大学院アジア・アフリカ地域研究研究科 助教)

わたしは2001年から、牧畜集団間の紛争が頻発してきたエチオピア、ケニア、スーダン国境付近でフィールドワークをおこない、地域の集団間関係を主題とした研究を続けてきました。とくに、実際に戦いに行きそこで家畜を奪ったり敵の成員を殺してきた人たちから戦場での経験を聞き取り調査したり、民族境界を超えた友人関係や親族関係が平和の回復に果たす役割についての分析をおこなってきました。

最近関心があるのは、わたしがこれまで調査してきた地域に大きな影響を与えつつあるナショナル、リージョナル、グローバルな動きです。具体的には、近年盛んになりつつある牧畜集団間の紛争に対する地方政府らの介入の動き、2000年代に入ってから勃興しつつあるアフリカ牧畜民による権利回復運動の動き、同じく2000年代に入ってからアフリカ大陸各地で進行中の「新たなアフリカ分割」、つまり海外民間資本による大規模な土地取得の動きです。


<主要業績>
佐川 徹(2011)『暴力と歓待の民族誌-東アフリカ牧畜社会の戦争と平和』昭和堂。
Sagawa, Toru (2010) Local Potential for Peace: Trans-ethnic Cross-cutting Ties among the Daasanach and their Neighbors. In Christina Echi-Gabbert and Sophia Thubauville (eds.) To Live with Others: Modalities of Cultural Neighborhood in Southern Ethiopia. Köln, Köppe.
Sagawa, Toru (2010) Local Order and Human Security after the Proliferation of Automatic Rifles in East Africa. In Malcolm McIntosh and Alan Hunter (eds.) New Perspectives on Human Security. pp. 250-258. Sheffield, Greenleaf.
佐川 徹 (2010) 「東アフリカ牧畜社会の小型武器と武装解除」川端正久・武内進一・落合雄彦((編) 『紛争解決-アフリカの経験と展望』ミネルヴァ書房、pp. 221-251。


<関連HP>
京都大学アフリカ地域資料センター