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白石壮一郎

Shiraishi soichiro
(日本学術振興会ナイロビ研究連絡センター センター長/京都大学アフリカ地域研究資料センター 特任助教)

大学院時代より、ウガンダ共和国東部のエルゴン山に暮らすサビニ(Sabiny)という農耕民の社会でフィールドワークを続けています。これまでのおもな研究テーマは、家畜放牧や農作業での人びとの協同のあり方、耕地の保有や境界をめぐるコンフリクトの内容分析です。フィールドの農村は20世紀後半期において、犂耕、イスラム教やペンテコステ派キリスト教、地方評議会制、商品作物、貨幣経済など、さまざまな新たなものごとを受け入れてきました。人びとにとっての社会変化の経験とは、在来のやり方の諸断片を組み替えながら困難な事態に対処していき、社会関係を再編していくことだと考えています。

滞在するたびにお世話になっている居候先の家族をはじめ、フィールドの人びとともすでに10年余の付き合い。ともに食べ、歩き、笑う時間を過ごしてきました。草の根民主主義、地方町の開発の村への影響、若者の生きづらさ、家族の変容、携帯の普及、伝統文化の再帰化や政治化・・・などなど、先進国の社会学がトピックとするようなものごとも、じつはウガンダ農村の同時代的な調査テーマとしてじゅうぶんにありうる、と思える今日この頃です。


<主要業績>
小國和子・亀井伸孝・飯嶋秀治編(2011、共著)『支援のフィールドワーク ―開発と福祉の現場から』、世界思想社。
白石壮一郎(2011、単著)『文化の権利、幸福への権利 ―人類学から考える』、関西学院大学出版会。 
白石壮一郎編 (2009、編著) 『アフリカ地域社会における資源管理とガバナンスの再編 ―住民の生計戦略をめぐる協働とコンフリクト』、Kyoto Working Papers on Area Studies. No.84. 京都大学東南アジア研究所。 


<関連HP>
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