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村尾るみこ

Murao rumiko
(研究機関研究員)

私はザンビア西部のアンゴラ出自の移住民社会を対象として、主に移住後の彼らの生業の変化をおってきました。ザンビアやアンゴラ、グローバルな政治経済動向と連動し、彼らの日常の営みがいかなる状況におかれつつ変化してきたのか/しているのか、彼らの社会と主生業である焼畑農耕との関係に注目して考察をすすめています。本研究で注目するアンゴラ移住民は、アンゴラおよびザンビアでの西欧による植民地支配の歴史と深い関わりをもつとともに、独立後両国のたどった内戦や民主化、構造調整、および南アフリカを核とする南部アフリカの政治経済変動と無関係でないまま、今日まで生活を再編してきました。すなわちアンゴラ移住民は、現近代の南部アフリカの特徴的かつ多元的な変化を生き抜いてきたアフリカ農耕民として、注目すべき人びとといえます。

 これまでの研究では、主にアンゴラ移住民を対象としながら、1)自然環境と農耕技術の変化とのかかわり、2)現金稼得活動としての女性の主食作物販売、3)土地利用、の3点を取り上げてきました。現在は、上3点を継続して分析するとともに、ザンビア西部およびアンゴラと歴史的関連の深いナミビア・カプリビ州における農村社会、および近年盛んなザンビアとの農産物物流に関する市場調査を開始し、ザンビア西部とナミビア北東部との比較研究をすすめています。