トップ >  メンバー紹介 > メンバー個別ページ

真島一郎

Majima Ichiro
(准教授)

コートディヴォワールをはじめ、仏語圏西アフリカ地域全般にかんする民族誌学をこれまで勉強してきました。
 アフリカという多元的世界のいまと真向かうには、研究者も多元的たることを余儀なくされるように感じています。コートディヴォワール西部内陸の国境域に居住する民族ダンの仮面文化をまなぼうと村住まいをしていたとき、国境のむこうでリベリア内戦が勃発しました。自分がダン社会の民族誌家であることを忘れまいとしながらも、不幸な内戦に到ってしまった近現代リベリア社会の研究に着手したのち、二〇世紀西アフリカ民族誌の鍵をにぎる概念として、「市民」と「個体」に研究の照準をあわせるようになりました。
 この数年は、フランス人類学の父マルセル・モースの生涯における民族誌学と政治思想との関わりにもテーマを広げながら、たとえばセネガルの庶民のあいだでしばしば交わされるウォロフ語の言葉、《ニョン・ファル!(仲間じゃないか!)》にひめられた、力の奥行きについても想いをめぐらせています。


〈主要業績〉
真島 編(2011)『二〇世紀〈アフリカ〉の個体形成-南北アメリカ・カリブ・アフリカからの問い』平凡社、765p.
真島(2011)「モース・エコロジック」『現代思想』39(16): 136-152.
真島(2011)「空白の地から-大江健三郎とアフリカ」『早稲田文學』第10次4: 330-339.
真島(2011)「未完のナシオン論-モースと〈生〉」『マルセル・モースの世界』(モース研究会 編)平凡社新書, pp.157-179.
真島(2010)「秘密という幻、女という幻-他と在ることの民族学」『幻のアフリカ』(ミシェル・レリス著)平凡社ライブラリー, pp. 1027-1065.


〈関連HP〉
個人ウェブサイト
http://www.aa.tufs.ac.jp/~imajima/