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第2回公開セミナー: Gendering History: Muslim Women and Power in a Matrilineal Northern Mozambique(ジェンダーの視点から歴史を見る:北部モザンビーク母系制社会におけるムスリム女性と権力)

講演者: Dr. Liazzat J. K. Bonate (ソウル大学人文学部)
日時: 2012年5月29日(火) 18:00~20:00
場所: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所3階セミナー室(301) 

今回のセミナーでは、ソウル大学人文学部から、アフリカ史がご専門のBonate氏をお招きしてご講演いただきました。Bonate氏は、アフリカにおけるムスリム/イスラーム、ジェンダー、女性に関する研究動向や課題について、アフリカの母系制社会とムスリムの慣習との齟齬などに触れ、アフリカの人びとへの偏見や差別との関連性や、オリエンタリズム的な見解の存在を指摘しました。また、研究対象としているモザンビークのムスリム女性に関する研究が、アフリカン・フェミニストによって担われていたことや、アフリカ女性問題への傾倒、伝統と直結するネガティブなテーマとして事実を覆い隠してきたこと等について解説されました。最後に、北部モザンビーク女性をとりまくさまざまなレベルでの権力関係と学術動向を総合して、現地の具体的事例からのムスリム女性研究へのアプローチの重要性を指南されました。

セミナーでは、北部モザンビーク社会におけるジェンダーや、モザンビーク社会の女性たちの現状、またモザンビークの学術界におけるムスリム女性に関する実証的研究への姿勢についてなど、質疑応答が多数交わされました。