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文化財・人体の略奪と返還 ― 植民地責任論の視点から

講演者:

メモリ・ビワ(南アフリカ、ウェスタンケープ大学)、柳美那(韓国、国民大学)、真城百華(津田塾大学)


日時: 2010年12月12日(日)10:00~18:00
場所: 東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所大会議室(303)

公開シンポジウム
文化財・人体の略奪と返還 ― 植民地責任論の視点から
報告:
   メモリ・ビワ(南アフリカ、ウェスタンケープ大学)「サラ・バールトマン、人間の展示・収集とジェノサイド ― 集合的記憶の返還のポリティクス」
   柳美那(韓国、国民大学)「日本の文化財「返還」からみた植民地支配の「残像」と「精算」の虚像」
   真城百華(津田塾大学)「エチオピアにおけるオベリスク返還」とイタリア侵略・支配「責任」」
司会:網中昭世(日本学術振興会)

植民地支配にかかわる文化財の流出とその返還については、現在、世界の各地で大きな議論となっています。アフリカからヨーロッパに運ばれ、「科学調査」の対象とされ、博物館などに展示された人骨(場合によっては生きたまま運ばれた人々とその遺骨)の返還を求める声も高まっています。「文化財」と「人体」の略奪は重なり合いながら、植民地主義の歴史を形成してきました。このシンポジウムでは、実際に「返還」が行われた事例について3名の方々に報告していただきました。質疑応答では、21世紀の今日、なぜ、「文化財」や「人骨」の返還を求める人々が増えているのか、それは植民地主義と脱植民地化の歴史とどのようにかかわっているのかといった問題について活発な議論が交わされました。